小説家志望の若者に、歩く速度のギアチェンジを練習しておけと、勧めることがある。スローライフの必要、なんぞという高邁は問題ではない。文士たらんとする者が身につけるべき、いじましくも必死な手管のひとつだ。行く手に立話する人が眼についたら、不自…
「タバコください。七十七番ふたつ」 ファミマでの、いつもの注文のしかたである。ケント細巻ロング・一ミリ・メンソール、なんて云ったところで、タバコと無縁そうなお若いバイトさんには、ご迷惑だろう。この云いかたが手っとり早い。 翌朝までの夜なべに…
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