一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

下劣

自分に発破を掛けたいとき、マックスラックス(MAX LUX)のライブ映像を観る。二人のロシア人女性アリシアとラーナ、清純派ヴォーカリストとセクシー・ロックンローラーによるユニットだ。オリジナル曲もあるが、オールディーズを多く歌って、私でも理解でき…

メザシ

現金

今現在、少々機嫌がいゝ。久しぶりに煮た肉じゃがの、出来が好かったからだ。 学生時代同級だった大北君は、文学や芸術や政治運動やらに捩れてしまいがちだった仲間うちでは珍しく、すっきり社会人になってゆけた、都会型スマート人間だ。学生時代からの恋人…

畑打ち

そりゃあ

慶応義塾大学国文科に、池田弥三郎という名物教授がいらっしゃった。テレビからの招きにもしばしば応じた、「タレント教授」草分けのお一人だ。視るからにお洒落で、軽妙な話術を駆使されて、随筆の名篇も多い。 銀座の老舗天ぷら屋の息子さんで、かの泰明小…

変電所

俳句修業をしたことはない。ただ酒場で肴代りのお慰みに、心得おありの先輩に導かれながら、歌仙を巻いたことはある。連句である。 以来、巷に紛れ込んでいる、俳句でも川柳でもない、ただの五七五を面白く感じるようになった。金網にのぼるべからず変電所。…

来年は

いまだ春

デジタルカメラというものに、生れて初めて触っている。 定年退職を機に、考えついた遊び・暇つぶしのひとつに、句を捨てるというものがある。放っておいても、日々どんどん忘れてゆくわけだが、どうせ捨てるのなら、屑籠に投げるよりも、ブログに捨ててみて…

こぶし

手すさび

思いついては、捨ててい句。

ひでえ

一年前に、腸捻転の外科手術を受けた。長過ぎて絡みやすい形状をしている大腸の一部を、摘出したのである。 それまでは内科で、内視鏡治療をしていただいていた。端的に申せば、肛門から挿入した火掻き棒でかき回して、捻れた腸をもとに戻していたわけだ。何…

ところ変れば

前回は何年前か、うっかりすると十何年前か、憶えがないほど久しぶりに、スーパーで米を買った。 両親の郷里は米どころで、さすがに伯父伯母はすでに他界しているものの、従兄弟たちが、農家のお爺だったりお婆だったりする。中元・歳暮など無沙汰挨拶といえ…

レターパック

古くからのよしみある雑誌が、創刊五十年だとのことで、その記念号にお祝い原稿を書いたところ、執筆者への配給として、十冊送ってくださった。自主活動として同人雑誌刊行に経験ある者であれば、一冊一冊がおろそかにはできぬものと解る。自分用の取置きぶ…

ざまあ

いささか旧聞に属するけれど、日曜昼のテレビ番組「噂の東京マガジン」が、TBSからBS-TBSへ「お引越し」したそうだ。 テレビレスライフの暮しゆえ、近年は視聴していない。が、なにせ放送開始から三十年以上にもなる長寿番組だ。かつては観ていた。…

ご都合

SNSやユーチューブほか、私設媒体が増えることは、総体的に看れば、好いことと思っている。個人情報が抜かれ、機密が流出したなどという弊害も耳にするし、国際規模のハッカーの横行も取沙汰されるが、それらは機能の可能性に人間の知恵が追付けぬところに生…

足りる

『溯行』一三六号が届いた。長野市で発行されている、評論・随筆同人雑誌の最新号だ。 今回は創刊五十年の記念号。昔のいきさつを知る者に、回想とこれからの五十年を考えさせようとの企画で、編集長からのお声がかりだった。あっぱれ五十年続いた雑誌なれど…

よけいに

今日六月六日は、ノルマンディー上陸作戦決行の日だそうだ。 三十年近くも前になろうか。英国BBC制作のテレビ映画「ノルマンディーの黄昏」を記憶している。たしか、作戦から五十周年記念企画とか云った気がする。 いかにも優秀そうな小男と、精神障害を抱え…

チョン!

――口上―― かねてより耳にいたしてはおりました、ブログというもの、その実いかなるものやら、つぶさには承知いたしませぬままに、なにごとも経験をとおして体得してゆくに如くは無しとばかりに、エイヤッと立上げてしまいましてより、本日をもちまして三十五…

足を

コインランドリーの洗濯機。水洗いなら三百円、湯洗いなら四百円。つねにはないことだが、四百円投じてみた。気紛れの贅沢である。その代り、入口脇の自販機で百円珈琲を買わぬことにして、スーパーで仕入れた六十円の缶珈琲を、ポケットに捻じ込んで家を出…

たぶん

怏々として楽しまぬ夜、と申せば大袈裟だが、気勢が挙らぬときに、ふと思い出して、ユーチューブで宇佐美里香さんの動画を観返すことがある。二〇一二年、フランスでの世界空手道選手権「個人・形」決勝の演武。世界で一七五〇万回も再生された、有名な動画…

似ている

傘をさして散歩するのは、べつだん苦にならない。靴が濡れるのも、シャツが湿っぽくなるのも、平気だ。けれどもやはり、雨もよいの散歩は、もうひとつ気分が盛りあがらない。 へーぇ、毎年あそこに咲くのはハナミズキじゃなくて、ヤマボウシだったんだ、など…

耳が

蘆溝橋事件から日中戦争へと泥沼化してゆく半年くらい前のこと、内務省警保局の切れ者官僚が、一部作家らと気脈を通じて、昭和文芸院の設立を企てた。国を挙げて文芸復興を支援するとの名目で。むろん反国家的言説への目配りが主目的であり、言論統制への一…

観たい

木南記念陸上の混合4×400で、従来記録を二秒ほど縮める日本記録が出た。世界記録とはまだ七秒余り開きがあるけれども、好記録だ。 リレーの男女混合種目というものが、好きである。作戦・配置によって、展開がダイナミックに動く。道中で大差に見えていても…

味わい

『細雪』の雑誌連載が始まったとき、宇野浩二がさっそくの感想を書いた。 どうやら谷崎さん、とんでもないことを始めたぞ。こいつはそう簡単に終りそうもない、という感想だった。舞台設定、人物配置、文体と描きっぷり、どこから視ても、短篇・中篇でまとま…

人間なんぞ

サバが不漁だという。サンマも、昨年に続いて、不漁の見込みとか。イワシは好いそうだ。海水温が零点何度変るだけで、回遊魚諸君の生活圏は変化するそうだから、黒潮はもはや、彼らの快適生活圏ではなくなってしまったのだろうか。 それとも、卵か稚魚の時期…

ズズッ

――口上―― ふと気づきますれば、当ブログ、立上げましてより、三十日目にございます。 もとより、時代遅れのネット弱者にございますれば、お見苦しきことども数かずと、承知いたしおるところにございます。 この間、どちらのどなた様とも存じ上げませぬ、八十…

これぞ

二日続いた寝不足を解消すべく、たっぷり八時間寝た。躰が戻った。起きぬけの一服が美味い。この味で体調が判る。時には精神状態まで。 昨日は、齢若い友人代表たちが寄合ってくれて、打合せと軽く宅飲み。身寄りのない私を気遣ってくださり、これからの活動…