一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

2022-04-12から1日間の記事一覧

機嫌指数

世間さまとのお付合いやお取引きを、おゝかたご辞退申しあげていると、ニュースや流行に左右される機会も少なくなって、さぞや心おだやかに過せていることだろうと、誤解される。 とんでもない。暮しぶりの振幅が小さくなろうが、行動半径が短くなろうが、気…

どうかして論(小説の起源④)

明治二十年代は紅露逍鴎の時代。文学史研究の業界用語では、さようにおっしゃいます。尾崎紅葉、幸田露伴、坪内逍遥、森鴎外の四人が、文壇の中心人物として充実した仕事をなさった時代、という意味だそうで。 しかしその二十年代はまた、前回申しました浪漫…