一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

チ~ン!

お世話になった。ずいぶん使わせてもらった。 卓上ベルというそうだ。こういうものが世の中にあると初めて知ったのは、「ぴったし カン・カン」というテレビクイズ番組だった。ぴったしチームとカンカンチームの対抗戦で、コント55号の欽ちゃんと二郎さんが…

ヒガミ

独居自炊暮しといっても、年がら年じゅう、似たようなものを食っている。たゞし「似たようなもの」ではあるが、「同じもの」ではない。 私にとって年に一度のゼイタク品とか、わが日常からは想像もつかぬ美味いものと申せば、知友や親戚からのいたゞきものの…

コスパ

本日がメロン君のご命日となる。 元村君からご恵贈に与った夕張メロンが、年に一度のわがゼイタクたる事情を記したのは、八月十六日だった。四分の一カットにして、四日間にていたゞいた。皮をさらに半分にして、フリーザーバッグに収め、冷蔵庫の隅にとって…

継承

長野市で発行されている評論誌『溯行』の最新137号が届いた。私にとってご恩ある雑誌だ。信州文界のご長老のお一人であられた滝澤忠義さんが他界されて一周忌とのこと。所縁あったかたがたの回想や証言を集めて、特集しておられる。私はついに、お眼どおりい…

川に立って

いつまで観られるか、いつまた観られるか。 「はてなブログ」の暦画面を開くと、一年前の今日の日記タイトルが表示される。あれを書いてからもう一年も経ったかと、すぐさま思い出せるものもあるが、はてな、これはなにを書いたのだったかと、すっかり失念し…

公正

YouTube「キムチわさび」チャンネル動画より、無断で切取らせていたゞきました。 韓国人夫君と日本人奥さまのご協力による「キムチわさび」というチャンネルを登録視聴している。というより、勉強させていたゞいている。 日韓両国視聴者に向けての発信だが、…

土地

玄関番として働くネズミモチ。春刈りしていらい、夏のあいだ放置していた。 道路を挟んだ筋向うの音澤さんの敷地に立つ、お二階の屋根ほどにも育ったネズミモチの大樹が、近隣を往来する小鳥たちのハブ樹木の働きをしている件は、以前に書いた。東西南北に向…

あの台詞

小津安二郎監督『秋日和』(松竹、1960)。 小津安二郎映画のなかでも、『秋日和』と『小早川家の秋』は、私にとって格別だ。司葉子さんが東宝から招かれて、出演しているからだ。ほかに理由はない。 娘の縁談に心を砕く父親の心境となれば、いく本もの傑作…

能わず

本日現場は、玄関から門扉までの五メートル。門扉とはいかにも偉そうで実状に不正確。ふだんは「木戸」と称んでいる。合金製なのに。 今朝も涼しい。こういう朝が、あと五日続いてくれると助かるのだがと、作業目算してみる。 だが巷間云う。熱中症が少なく…

目盛

今朝の戦場は拙宅南側、旧建屋との間に挟まれた幅三メートル、所により四メートルの細長い地帯。塀の向うはコインパーキングだ。 真昼こそ旧建屋の陰になるものの、午前ほんのいっときと午後ある時間帯には斜めに陽が射すので、植物も活発だ。始終日陰の北側…

お返し

李姉妹 ch より。 「李姉妹 ch」は日本在住中国人姉妹によるユーチュ-ブ・チャンネル。登録者数三十三万七千、再生回数六千万回を超える人気チャンネルだ。 ちなみに、とあるディレクター氏が立上げてくださり、この一年ほど私が喋ってきたチャンネルは、本…

通路

午後からの空模様はどうなのだろうか。怪しい。けれど朝がた涼しいのは、助かる。 梅雨の初めころに草むしりして、三か所ほど小積みにしておいた山が、ひと夏の陽射しと雨とに晒されて、これがもと植物だったのかと思うほどカラカラの乾燥ゴミのようになって…

一時間

中央奥、半分建物の陰になって立っているのがアイツだ。 湯殿で水をかぶるとき、窓を開けると網戸越しに、雑草としては背丈の高い草が、花を着けていた。観慣れぬ新顔だなと思っているうちに、花の先端が白っぽい穂の束となり、どうやらこれがやがて時がくる…

小石大石

内尾 聡菜(うちお あきな)背番号25。『FUJITSU SPORTS ATHLETE PROFILE 2018▸2019』より無断で切取らせていただきました。 横浜文化体育館が長年の役割を了えて、ちかく取壊されると決っていた。レッドウェーブにとって、このコートでの最後の試合となる日…

よそ者

『季刊文科』89号(2022.8) 〈旅×文学〉という特集が立てられて、川村湊さんと佐藤洋二郎さんの対談が、心柱となる一番のご馳走だが、筆者なん名かによるお題に沿った随筆が寄せられている。小説家の佐川光晴さんが、書いておられる。 半生を振返りながら、…

夕張メロン

ズシリと重い。こんな巨きな果実も、メロンと称ぶのだろうか。皮だけメロンで、中身はスイカではないのだろうか。 元村君から夕張メロンを頂戴した噺は、スクロールしてみると、昨年九月十六日に書いた。たしか頂戴してから数日たって、さて食べごろ、今夜あ…

判定不能

深夜零時。蒸し暑い。かような夜は散歩をかねて、買物に限る。 日昼猛暑でも、夜中は涼しいという日が、この夏なん日かあった。室内には余熱が充満していても、玄関を一歩出れば楽になったので、助かった。程よい風を愉しめた夜もあった。 台風は困る。吹き…

小世界

森本哲郎(1925‐2014)『ある通商国家の攻防――カルタゴの遺書』(PHP研究所、1989) 森本哲郎さんのお言葉に注意を払っていた時期があった。新聞記者からフリーの文筆家となられたかただが、私の眼には市井の哲学者と見えていた。テレビ司会者森本毅郎さんの…

暗号化

タイアップ・ブランド商品というのだろうか、製造元は愛知県にあるニチレイの関連会社、販売元は東京千代田区にある帝国ホテル関連会社となっている。 帝国ホテルのレストランで食事した経験がないから、ホテルそのまゝの味なのか、似て非なるものなのか、判…

お迎え

南無大師遍照金剛。 菩提寺さまを東京へ移させていたゞいたとはいえ、本籍は両親の郷里。拙宅では旧盆である。 例のごとく、あれを忘れたこれをウッカリで、目算より四十分遅れで家を出る。秋のお供えとなれば栗。私鉄で江古田へ。雪華堂さんで栗甘納豆を調…

高床式

ヨックモック、モロゾフ、ブルボン、出てくるわ出てくるわ……。 私の暮しでは、缶入りの菓子に出逢うことなど、めったにない。箱とフタの継目に貼り回したセロハンテープを、ぐるり一周剥す作業を最後にしたのは、さていつだったか、記憶にない。 幼いころは…

験担ぎ

いまや準縁起物、珈琲館のシナモントースト。 珍しくお座敷がかゝって、喋りに出掛ける。陳腐な験担ぎで、出陣の日には「かつ」と名の付くものを食べて出る。が、朝から異様な暑さ。かつ丼・かつカレーはおろか、メンチかつサンドすら、口にする気が失せる。…

ダイソーで、三個組百十円の使い捨てライターを買っている。あれこれ試した結果、これに落着いている。 同じ金額で四個組もある。割安ではあるが、着火装置がギザのついた金属リングを指の腹で回転させ、いわばヤスリで石を擦って着火する方式だ。若いころは…

まだ見ぬかたの

タイアップ案件ではございません。 じつに久かたぶりで、味噌を購入したとは、数日前に書いた。せっかく撮った写真は、パソコン不具合中のために使えなかった。 あながちシミッタレでのみ申すのではない。味噌の日常消費量はきわめて少ない。いたゞきものが…

はた迷惑

A機、よみがえる。 わがパソコン顧問のながしろさんに出張してきていたゞき、A機が復活した。まだ買い替えの必要はないとの、ご診断だった。 フリーの編集ライターと、いちおうお称びしてはいるが、私はながしろさんのご職業を正確には存じあげない。学生時…

巡りめぐって

公園の花壇ではヒマワリが、早くも花弁を散らし始めている。なかには黄色い花弁をすべて失い、中央の雄蕊群だけの姿となって、戦前のマイクロホンのように立っている株をも視かける。 雄蕊群はどれも、まだら模様をなしている。ほんのわずかな陽当りや風通し…

一キロ増

門扉を出たところが、駐車スペースとして狭いコンクリ打ちになっているが、今朝もミミズが新たに一匹、死んでいる。この夏、五匹目だ。 毎夏、猛暑絶頂のなん日か、長くともせいぜい二週間ほどの現象だ。地中の熱が上りすぎて、宛どなき移住の決断にいたった…

よだん

多肉植物の寄せ植え。金属垣根の内側に、お揃いの籠鉢で異なる景色がズラリ。珍しくもゆかしきご趣味だ。 酷暑の時間帯。突如として雷の遠鳴り。出そびれた。午前中に出掛けるのだったと、かすかに悔やむ。気の弛みで、平常の悪癖に戻り、正午近くの起床とな…

味噌

味噌について、喋りたかったんだけれども……。 パソコン、あい変らず不具合中。わがパソコン顧問に電話で窮状を報告・相談。「第一感は熱ですね。この暑さです。第二感は内部にガタがきているのでしょう」 とりあえず、電源を切ってコードジャックも引抜いて…

不具合

十四か月ぶりに、パソコン不具合だ。入力すると、風景写真に固定されたまゝ、立上らない。微動だにしない。 きっとまた私が、無意識のうちに余計な操作をしたのだ。さように決ってる。それが証拠に、昨夜就寝前(つまり本日早朝)は異状なかった。 配線は調…