一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

2023-01-01から1年間の記事一覧

健康食

またも学友大北君から、ご丹精の収穫物を頂戴した。感謝々々しきりだ。 過日、のらぼう菜(菜の花に似る)と春菊と絹さやと菜付きの蕪とをいただいたばかりだ。春菊は一度胡麻和えに、絹さやは一度椀種にしたが、両方ともほとんどは天ぷらに揚げて豪勢にいた…

なまり懐かし

郷里の従兄が、名物の笹団子を送ってくださった。大好物だ。 製造加工技術も保存技術も長足の進歩をとげて、今じゃ一年中愉しめる笹団子だが、かつては季節食品の印象があった。あるいは拙宅の経済事情により季節商品だったに過ぎず、巷には年間を通して存在…

意気込み

「ごごカフェ」を聴いても、「ラジオ深夜便」を聴いていても、いよいよ梅雨到来! まるで警戒警報が鳴らされているみたいだ。 このところ体重が二キロばかり増えた。体感により自分勝手に思い込んでる適正体重よりは五キロ増だ。理由ははっきりしている。生…

今できる仕事

今もって自分にでもできる仕事は、世の中に残っているのだろうか。まったくないかもしれない。 夜が明けても雨はやまなかった。夕方となった今もまだ降っている。だが正午前後から一時間あまり、雨はあがっていた。どこで待機しておられたのだろうか。または…

遡上する

大きな鮭の切身。わが膳にあっては、じつに久しぶりだ。 月例のユーチューブ収録日だ。夕刻には、ディレクター氏が機材トランクを提げてご来訪くださる。悪習慣で陽が高くなってからのそのそ起きだすから、念入りな炊事をしている間がない。買い食いで済ます…

評価基準

なるほどカタバミらしい。 子ども時分にはカタバミもクローバーも、一緒くたにミツバと称んでいた。野菜の三つ葉は知らなかった。知るようになったのは、小学校も高学年になってからだ。拙宅の経済状態にあっては、それまで食卓に載る野菜ではなかった。 野…

節季見舞

今年もこの季節がやってきた。百貨店から、中元向けの商品カタログが届いた。 年二回、中元と歳暮のひと月あまり前になると、このカタログを撮影して日記に書いてきた気がする。 毎度のことながら、私には豪華過ぎるカタログだ。選ぶ商品はだいたい決ってい…

退役職人

Momoka Japan というユーチューブ・チャンネルに登録してます。 外国人から「日本大好き」と云ってもらう、星の数ほどある番組のひとつですから、続けざまにいくつか観ようものなら、当然ながら飽きます。ホントかいなとの疑念も湧いてきます。が、ももかさ…

開拓者

ジョン・フォード監督『太陽は光り輝く』より、無断で切取らせていただきました。 サリーナス渓谷は、東のギャビラン山脈と西のサンタ・ルシアス山脈に挟まれた、いわば南北に細長い盆地である。サンフランシスコよりは南、ロサンゼルスよりは北で、いわばカ…

朝食の方角

本日も完食。あたりまえだ、食べるものだけ、食べる分だけ作っているんだから。 スタインベックに『朝めし』Breakfast という短篇がある。新潮文庫版(大久保康夫訳)では、四ページ半しかない。あまりに短く、物語も呆気ない。しかし暗示的表現が巧みで、象…

老い花

街なかがどこも大賑いだったにちがいない週末が明けた翌日とは、かようなものだろうか。物音の聞えてこない閑寂な朝である。 昨日は若者たちのサークル活動のおかげで、昨今にない歩数が歩けた。目星をつけた古書店が休業していたりで、無駄足回り道を重ねた…

これっぽっちも

わが駅前のヤマボウシが満開。道行くかたがたや、真向うで繁盛する立食いの名店「南天」さんのお客さんがたも、名代の肉蕎麦を賞味するに夢中で、べつだん気に留めぬようだ。 どういうもんだか、この樹が好きだ。盛り場からわが駅へと戻ってこの樹を視ると、…

母恋物語

長谷川伸『沓掛時次郎 瞼の母』(ちくま文庫)。 母の子別れ、子の母捜し。 ―― 諸君ねえ、長谷川伸をご存じないでしょう。数値的根拠のないヤマ勘だけど、日本国中に長谷川伸作品を知っている人と、漱石の『坊ちゃん』を知っている人とでは、どちらが多いと…

羞恥

ちょいと眼を離したすきに、父の姿が見えなくなった。またかい。探す気も湧いてこなかった。探さなくてもよろしいのですかと、声を掛けてくれる人があった。気にしなかった。父はその日、帰ってこなかった……という夢を観た。 徘徊が始まったころは血相を変え…

ハンパネー!

味噌マヨ和え。 畑でないどころか、自然の野山ですらない土地に育った野草が、ほんとうに食用となるだろうか。瓦礫混りの痩せた土地で、微細な不純ゴミ数知れず、お世辞にも良い水を吸ったとは云えない野草が。 まだ玄関先にあるうちに、根だけは毟り千切っ…

なにごとも

今日の作業場はこの一画。拙宅西寄りで、コインパーキングとの境界をなす塀ぎわだ。連日変り映えもない草むしり日記である。こんなことしか考えてない暮しなんだから、いたしかたもない。 この一画に手を着けると、繁茂した草ぐさの下から、かつての宿敵ネズ…

ユキノシタ

入梅まではまだ間があるそうだが、予想外にのろま足だった低気圧に居据わられて、ここ数日空模様が悪かった。一転して今日は晴天。仕事で出歩くかたがたにとっては、半袖シャツも考慮すべき陽気だそうだ。明日からは、もっと暑くなるとのこと。急速に夏へと…

天つゆ

サミットストア謹製、ミニ天丼。513キロカロリー。 行きつ戻りつ下手な考えに耽っているうちに、いけねぇ、ラジオ体操の時間になっちまった。気づけばさすがに疲れている。テーブルに突っ伏してちょいと仮眠。と思ったらかなりの不規則睡眠。醒めてみたら、…

駅前旧道

駅のすぐ前に神社と寺院がある。全国でも屈指の、最寄り駅に近い寺社だそうだ。申すまでもなく順序は逆で、境内の前に駅を開設してしまったのである。 大鳥居前に駅ができた経緯を誌した石碑が、神社の境内に建てられてある。 ―― わが村は武蔵野鉄道にとって…

お待ちどう

芋蔓式にと申すべきか、数珠繋ぎにと申すべきか、それとも玉突きのようにと申すべきか、用事というものは片づけようとすると次つぎに発生するものだ。 あれを切らしたから、次の買物で補充せねばとその時は思うけれども、少し時間が経つと忘れる。なんか買う…

菜飯炊く

とにかくイレギュラー睡眠を解消しなければならない。不規則は万病の元である。今宵はユル~イ家事だけをして、眠くても眠くなくても、さっさと床に着こうと考えた。 いただいた蕪を四個ともすべて、丁寧に水洗いする。蕪(根)と菜とを切離し、菜はさらに茎…

素人でも

今日は、おおむね寝ていた。ときおり眼が醒めてみると、外は雨で、雷すら遠鳴りしている。で、また眠ってしまった。なので思い出すのはすべて昨日のことだ。 宅急便到着まで起きていようと決断して朝を迎えたものの、まだ配送到着までには時間がある。建屋の…

幸福餃子

間もなく午前四時だ。餃子を焼こうかと思い立った。こういうのが気まま老人の幸せというもんだろうか。 須磨佳津江さんのお声が聞える。「NHK ラジオ深夜便」だ。二十歳代のころ、このアナウンサーが大好きだった。お伽噺を歓ぶ柄でも齢でもなかったけれども…

アッティカ事情

雨あがる。風もない。作業日和だ。 はかどった感が目立つ大どころに着手したい気も起るが、長年懸案だった“小どころ”作業を片づけることにする。極限を超える窮屈な思いをさせてきた君子蘭の大鉢ふたつを抜取って、地植えにしてやる作業だ。“小どころ”とはい…

コロー

コロー『ラ・フェルテ・ミロンの風景』(大原美術館蔵) 西洋絵画に興味を抱き始めたころから、コローの画がどことなく好きだった。最近になって理由に思い当った。 ごく鈍感な高校生だったから、ゴッホとピカソを凄いと思っていた。好きなのはユトリロだっ…

らしい

胃が痛くて眼が醒めた。キリキリではなく、焼けただれたような騒痛だ。懐かしいような痛みである。週の半分以上がこんな眼醒めだった時分もあった。 台所へと起きだし、冷蔵庫から牛乳パックを。冷たいままマグカップに少々注いでふた口。50 cc.くらいか。次…

合せてひと坪

陽射しはおだやかだし、陽気も申しぶんない。惜しむらくは強風だ。それどころか、時おり吹き来る突風は台風クラスだ。作業を早々に切上げる格好の口実である。 あまりに困難が伴うようなら、すぐにやめよう。始めから腰が引けた気分で、地下足袋を履いた。 …

七面鳥

七面鳥が樹の上で眠ると聴いて、驚いてしまった。まったく、わが無知いかばかりかと、改めて呆れる想いを禁じえない。 スタインベックの『赤い子馬 』Red Pony に、さような記述があった。スタインベック作品ではお馴染みの、サリーナスの町からやや離れた、…

危険ゴミ

今朝のビフォーアフター。 ここは草むしりを了えても、スコップで掘り返したくない気分がある。玄関から門扉までの通路となっている飛び石を挟んで、すでに済ませた君子蘭や彼岸花の株の真向うにあたる一帯だ。穴を掘って植物生ゴミを埋めこむには及ぶまいと…

菜摘どき

この季節がやってきた。今年も大北農園からの収穫物ご恵贈にあづかった。 趣味と健康維持とをかねて家庭菜園に情熱を傾けてきた、同齢の学友大北君は、ご丹精の成果を毎年お送りくださる。当日記でもご定連のひとりだ。 今季は、春菊、青梗菜、絹さや、野良…