一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

ハブ樹木

道路を挟んで拙宅の筋向うにあたる音澤さんのお宅は、ゆかしき意味で自由放任のお宅だ。政党からポスター掲示の願い出があると、差障りでもない限りは許可していらっしゃるらしい。国家権力政党も泡沫政党も差別しないというかたちで、不偏不党を表明してお…

第三位

昨日に引続き、取るに足らぬ些細なもんに、飽きがくる噺で。 たしか昨年の今ごろか、久かたぶりに肉じゃがをつくって、数日かけて食べ了えるとまた肉じゃがを仕立てるという時期を、しばらく続けた。水加減も調味料の配合も、以前のことなどろくに憶えちゃい…

蹉跌

どんな些細なことにも、飽きがくるというときはあるようで。 いつ頃までだったろうか、瓶入りのインスタントコーヒーをスプーンでカップにとり、湯を注いでいたのは。すいぶん長い年月、さようにしてきていた。 お若いかたの嗜好の多彩化によるのだろうが、…

街の絵柄

ヤマボウシとハナミヅキの見分けかたを、知らない。 高校時代の学友亀戸君のお通夜に参るべく、久びさに電車に乗ることに。 わが駅前に立って花を着けているのは……。しばし立停まって眺めてから、まぁ通夜の日でもあることだし、常緑系の山法師ということに…

健康?

いわゆる、なんと申しましょうか、深夜のありあわせ。 だいぶ以前だが、写真家の高梨豊さんや、現代美術の赤瀬川原平さん、秋山祐徳太子さんらが「ライカ同盟」を名乗られて、機知に富んだ独自視点による写真活動をなさっておられた。 主要な主題のひとつに…

からめ手

網戸ってえもんは、奴さんにとっちゃあ、まことに摑まりやすい、このうえなく登りやすいもんなんでしょうなぁ。いえ、ヤブガラシの野郎のこってすがね。けど、まさか壁のこっちがわから、つまり腹のほうから撮られるとは、思っちゃあいなかったことでしょう…

言いわけ

これは俺なんぞが食うもんじゃねえな、が第一印象だった。今は定番一品に数えられる準レギュラーだ。現金なもんである。 ツナマヨという料理が、いつ頃から世に出回ったのかは知らない。視るからに私の興味を惹かぬ食品だ。大根おろしに合せても、醤油をかけ…

桐箱

桐箱に収められて、丁寧に包装された品物。こういうものを受取るのは、いつ以来だろうか。 友人の音楽家が今年に入って、夫人を亡くされた。はたからはご病気知らずに見えたお元気な奥さまだっただけに、衝撃は巨きかった。 ご夫妻もお子たちも、芸術・芸能…

あえて

昨年のいつ頃だったか、有名メーカー品のチョコレートを比較検討していた時期があった。今はしていない。 カカオ含有率 60%、70%、80%。当然ながら含有率の高い商品ほど、苦味が濃い。ビター味、というのだろうか。各社の商品とも、ひと口サイズの薄切り…

定義不足

この数式の答えは? 河野玄斗さんのチャンネルで、興味深いことを教えていたゞいた。 答を「9」とする人と「1」とする人とがある。素朴な疑問に出発して、世界の数学者たちを二分する論争にまで、発展したのだそうな。計算機に問うても、「9」と答える計算機…

いかん!

老眼鏡を買い足そうかと考えている。 四十歳過ぎたころから、老眼が始まった。幸いにして近視の遺伝形質を持たぬ家系なので、サングラスを除けば、その齢まで眼鏡とは無縁に過してこられた。それだけに、初期老眼の特徴である、まだら老眼の乱視併発による、…

満開宣言

一度書いた、お向うの粉川さんご門柱脇に場所借りしているクローバ。あの時はツボミだったが、たゞ今満開。 そのお隣、つまり拙宅筋向うの音澤さん駐車スペース脇に場所借りするクローバも、同じく満開。咲きっぷりを観ても、やはり兄弟だ。どちらが風上か風…

ある時代

たいへんなニュースがとび込んできた。 レッドウェーブのシィこと篠崎澪が現役引退を表明。松蔭大学時代からの後輩でもあった内野智香英も、引退を表明。司令塔町田瑠唯の渡米と合せて、レッドウェーブは大幅に変貌することになる。 昨年の、フォワード陣の…

変化する

新井 満(1946-2021) 小説家、詩人、シンガーソングライター、映像プロデューサー、写真家、絵本作家……。とにかく多芸多才なかただった。それらの前に、電通社員だった。 それでいて、ガリガリ掘削するようにお仕事をなさっているようには、見えなかった。…

二年目

―― 口 上 ―― 東西とぉうざぁ~い ! かずかずブログ多いなか、ご縁をもちましてお眼汚しをかたじけのういたしましたる、あなたさまにひとこと、おん礼ご挨拶申しあぐべく、貴重なるお時間を少々頂戴いたしまする。 当「一朴洞日記」またの名を「老残妄言の記…

ありあわせ

まあまあの、佳き日だった。こういう夜は、古いジャズCDと「ラジオ深夜便」とを適宜切換えつゝ聴きながら、台所でありあわせの立飲みにかぎる。 一昨日は、月例のユーチューブの収録を済ませた。小説に描き出された老人像について、思い出すまゝを、飛びとび…

ダンシャリリ

久びさに行動規制のない黄金週間。観光地にはよみがえりのきざしが見えるのだろうか。交通機関の乗車率は高まっているのだろうか。盛り場に人出は戻っているのだろうか。 かと申して、先陣切って飛出すがらでもない。 雨もよいの肌寒さ。三月中旬並みとのこ…

境界

お向うの、粉川さんご門柱脇のクローバ。開花直前のツボミ状態だし、花が売りの草でもないから、気づきにくい。生きてるうちに、しかと眺めておこうという気にさせられる。 学生諸君を誘って、駒場の日本民藝館の展示を観に行ったことがあった。近現代や西洋…

ヒント

勁草書房版、講談社文庫版。 品切れ、もしくは絶版が何年か続くと、どこかの出版社から新版が出る。どこ社版で、もしくはなに文庫で読んだかで、読者の年齢または本書に出逢った年代が知れるという、名著中の名著。 中央公論社版(1959年刊)でお読みになら…

ひと坪

ひと坪ビフォー。 また寝そびれて、朝が来た。 夜通し煙草とカルピスだけでは、躰に悪かろう。気づけば空腹でもある。いくらなんでも炭水化物はやめにして、野菜の煮物と目玉焼と6Pチーズくらい腹に入れて、なんとか寝ちまおう。 ひと頃であれば、ちょうど…

くぐつ

真鍋呉夫(1920-2012)、長らくご逗留中。 心に残る文士であられた。 駆出し編集者だったおり、真鍋呉夫さんの原稿を、いたゞきそこねたことがある。 句集『雪女』で藤村記念歴程賞と読売文学賞とを受賞されて、お見事な大復活をとげられるよりも前のことだ…

シャン!

桜はさっぱりと調髪完了。花梨は只今散髪中。 一昨日、植木職の親方に入っていたゞいた。昨日は曇天で、一時雨も降るとの天気予報だったので休み。本日はからりと晴れあがり、下草処理も含めて、すべて完了の予定だ。お若い衆との二人三脚で、まことにお見事…

君だけ

みんなみんな、平等な命だと、思ってますよ。いちおうはネ。 それぞれの命に、貴賤の別はないと、思ってます。すべての因果を理解するだけの見識が当方に不足しているだけで、じつはみんなみんな、経緯だの必然性があって登場したにちがいない命だと、ホント…

婿殿に

黒澤明映画『乱』に、主筋にはいさゝかも重要ではないが、大好きな場面がある。 媚びへつらいの太郎・次郎とはちがって気骨青年三郎は、父である大殿(おゝとの)の機嫌をそこねて、勘当・追放の身となる。その心映えを多とした隣国の武将藤巻信弘(植木等)…

今しかできぬ

JBA 三屋裕子会長から 若者が、今しかできぬことに無我夢中で励む姿は、清々しいもんだ。年寄りがさように感じるのは、舞台というものが誰にでも公平に与えられるものではないと、承知しているからだ。 オリンピックで銀メダルを獲得したナショナルチーム全…

顔ぶれ

深夜の小公園に人影はない。風もなく、八重桜がひと株、黙って立っている。今を盛りとたわわに咲き誇っているが、若葉も勢いよく芽吹いてきているから、花の独り舞台という姿ではない。 その名も児童公園というのだから、深夜に人影がないのは不思議ではない…

ほの渋い

佐藤洋二郎『Y字橋』(鳥影社、2022) あの人は、あの後どういう人生を送られたのだろうか。お幸せだったろうか。今もどこかで、おすこやかにお過しだろうか。 一度だけでも、お会いしてみたい気もする。相手が女性の場合は、とくに。 伝手をたよって手蔓を…

さて次は

三好南穂(背番号12) 今シーズンWリーグ、優勝はトヨタ自動車アンテロープス。 主将三好南穂はすでに、今シーズン限りでの引退を表明。 なおシーズン通しての部門別表彰において三好は、スリーポイント成功率・フリースロー成功率の二冠獲得。 スリーポイン…

四半食

いく度も書いたが、独居自炊暮しとなってから、一日二食生活を続けている。 食事に要する時間を節約したいという、バチ当りな理由もあるにはあった。が、それは付足しで、本意は食生活の充実だ。 そのおかげかどうか、入院療養を余儀なくされて手術を受け、…

邪魔

高橋かおり写真集『メタモルフォーゼ』(渡辺達生撮影)より切取らせていたゞきました。 刑事さんって、ホントに二人一組なんだとこの眼でたしかに視た経験が一度だけある。 職質ではない。職質については私立中学の生徒だった関係で、中間テスト後の試験休…