一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

離島

 緊急事態ナントカで、皆さんご不自由と闘っていらっしゃるというのに、私ときたら、なんとまあ気楽に過していることか。もともとスーパーでの買物と散歩以外に外出の機会などなかったところへ、最後の非常勤職も定年になってみたら、パスモがいっこうに減らない。近所から出る機会皆無なのだ。
 都会の離島暮しと、誰かが云ってたっけ。

 携帯・スマホの類を所持したことがないことと、テレビを観ないことも、この気楽感に拍車をかけている。
 弊害もある。あいつ生きてるのかと、友人がたにご心配をおかけしてしまう。生存確認。このブログを立上げる第一の動機だ。

 ある広告に、ふと目が留まった。ポンチョ型のざっくり羽織れるジャケット。着やすそうで、色合いも好く、なんといってもこの安物感がたまらなく好ましい。
 「購入」をクリック。住所・氏名・カード番号、そして携帯電話番号。さて困った。空白のまま「購入決定」をクリック。と、「必須事項に漏れがあります」と来た。ためしに拙宅固定電話番号を入力してクリック。「記入が正しくありません」と来た。「問合せ先」をクリック。「言語選択」の要請があって、なにやら外国の電話番号らしい。「しばらくお待ちください」となって、どうやら30分ほどは待たされるらしい。
 もはやこれまで。「購入中止」にしてログアウトした。
 携帯登録していないと、離島感を深める時代となった。