一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

〈自由研究〉マッチ

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商品形状(左より)、ダイソー、サミットストア、ビッグエー

1.仕様・販売価格(税込)・製造元
 ダイソー:小箱6個組、110円。cf.2個当り36円67銭。(株)日東社
 サミット:小箱6個組、118円。cf.2個当り39円33銭。大和産業(株)
 ビッグエー:小箱2個組、62円70銭。(株)日東社

2、商品位置づけ・陳列棚
 ダイソー:食器や台所用品など生活雑貨の末尾(レジ直前)。
      乾電池各種・使い捨てライター等と共に、日常消耗品として陳列。
 サミット:トイレ消臭・下駄箱消臭・たばこ消臭など、芳香剤の隣り。
      線香・ロウソクと共に陳列。
      (芳香・消臭との関連性と墓参・仏壇用品としての位置づけ)
 ビッグエー:食料品のディスカウント・スーパーにつき、雑貨は本来対象外。
      わずかの陳列スペースに、洗剤類・トイレットペーパーなどと。 
      24時間営業店につき、緊急需要に応じる補充雑貨として陳列。
      

3、実質販売価格の比較考察
 (算定方式)●1着火(1本)あたりの価格を算出する。
       ●火薬部分破損による使用不能の軸(今回2本)も商品に含める。
        (今回は品質・性能の比較ではないので。)
       ●各商品1箱の収納本数を数えるが、念のため各2箱数える。
        (製造工程の誤差を考慮して。)

 (調査結果、2箱計と各箱内訳)
 ダイソー:85(43/42)  
 サミット:82(42/40)
 ビッグエー89(44/45)
 (調査所見)
 消費者の心憶えとしては、マッチ小箱は40本入り。着火ミス等の不測事故に備えて数本のイロ(おまけ)が付いている、と認識するのが相当かと思われる。

 (計算式)
 ダイソー:36円67銭÷85=43,14銭(四捨五入で、1本43銭)
 サミット:39円33銭÷82=47,96銭( 〃 1本48銭)
 ビッグエー:62円70銭÷89=70,45銭( 〃 1本70銭)
 (1着火あたりの価格結論および所見)
  消費者の心憶えとしては、市販マッチ2着火につき1円のコストと把握が妥当。
  ビッグエーは以下三点の理由により、例外価格である。
  ①もともと商品仕様が、小箱2個組で商品化されている。
  ②食品専門店であって、雑貨は例外商品である。
  ③24時間営業店としての緊急需要への対応商品である。

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4、研究余滴
 ●対象商品製造元の(株)日東社と大和産業(株)は、いずれも兵庫県姫路市に本社があり、関連会社と販売網にて全国展開している会社である。
 ●両社共通の営業品目は、マッチを中心に、ポケット・ティッシュ、団扇、紙おしぼり他、紙による生活雑貨を基礎に、販促商品・生活衛生商品の開発へと発展している。
 ●会社設立は、両社とも大正年間。ただしそれ以前からマッチ製造には従事していたとのこと。家内手工業もしくはマニュファクチュア段階の地場産業が、この地域にあったと考えられる。
 ●今治のタオル、児島のデニム等と同じく、日本産業発達史における瀬戸内地域の一事象として、注目・記録・研究の余地があろう。

5、研究後の感想(むすび)
 ●マッチを仏壇・墓参あるいは防災用品の観点からでなく、日常台所用品と捉える場合には、当然ながらチャッカマンとのコスト比較が問題となる。今後の研究に委ねる。
 ●最後に。この研究は、ほとんど役立つとは思えない。そこが眼目である。(以上)