一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

機嫌


 リタイア後を菜園や庭手入れに生きる、学友大北君が、じゃが芋と鷹の爪を贈ってくださった。
 つい先日、玉ねぎと蕪をお贈りいたゞいたばかり。重ねがさね、ありがたい。

 玉ねぎはこゝぞとばかりに、普段では考えられぬほど豪勢に使わせていたゞいて、ほとんど消費。最後の巨大なる一個を残すのみとなっている。
 蕪は薄切りにして浅漬けし、毎食少しづついたゞいている。寝酒の肴にも。

 そこへもってきて今回はじゃが芋。私は準主食というくらいにじゃが芋を食っているから、大助かりだ。しかもサイズが、私の使いかたにとっての使い勝手がちょうど好い。
 日ごろ八百屋さん店頭でも、「今日のはお奨め品だよ」と云われる大ぶりは、私には困る。私の煮物にとっては、半カットでは大き過ぎ、四分カットではちと物足りない。かといって新じゃがは、はじめから物足りない。ばら売りなら頃合いを選らしてもらう。袋詰めの場合は、適当なものが見つからなければ、次回まで我慢する。

 鷹の爪については、私の使用法にとってこれは大量。生産者大北君からのご指南。「ウチのは辛みが強いので、使用量に注意」とのこと。はい、不用意に味見したりはいたしません。
 昨年もいたゞいたが、漬物や煮物のアクセントに用いる程度ではとうてい消費しきれず、細かく砕いて、あてずっぽうで我流の五味唐辛子(七味に足りない)を仕立ててみたところ、思いのほか重宝。半年近くかけていたゞいた。今年もさように計らうつもりだ。

 今回の荷物には、野菜保管ネットを四枚も同封してくださった。これもありがたい。
 過日、礼状代りのブログを上げたさいに、玉ねぎやニンニクを吊るしておくネットが、ただ今他用件で使用中につき、流し排水溝用の水切りネットで代用する旨書いたのを眼にした大北君が、それならばと援助してくださったものだろう。
 彼にとっては身近な消耗品かもしれぬが、私の眼からすれば、プロのお道具である。    
これで冷蔵を嫌う野菜の保存対策も万全だ。大いに機嫌がよろしい。

ケースともで 110円(税込)

 過日、池袋まで出掛けるついでがあったので、少し歩いて、長年買物してきた、眼鏡と関連商品の卸売価格店を訪ねてみたら、閉店改装されて、なにやらお洒落めかした喫茶店だかレストランだかに変貌していて、面喰った。今流の街並再開発ということか。
 かといって、有名大型チェーン店へすぐに飛込むのは、気が進まない。安易な気がする。
 どうせ普段使いの安価商品を求めるのであれば、いっそのこと、というわけで、地元のダイソーさんで、「男女兼用老眼鏡」なるものを買ってみた。

 おりしも今月は年に一度の出費月だ。税金は増額された。国民健康保険料も払った。年金は減額されると通知が来た。よろづに暮しのグレードをチェックしなければならない。庶民にとって当りまえの対応策だ。
 そこで試してみた、ダイソーブランドの老眼鏡。これがビックリ! 大変に使い勝手がよろしい。これだったら、もう三百三十円くらい使って、家内各場所各用途別に完備しても好いかもしれない。かなり機嫌がよろしい。