一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

下北沢~駒場

変化にも不変にも、時を感じる。 古本屋研究会の面々に案内してもらって、下北沢を散歩する。現役学生の企画に OB ばかりが集った。さながら猛獣使いと猛獣たちの図だ。 古きマーケットの香りを残して名所ですらあった、駅周辺のゴチャゴチャ商店街が刷新さ…

総務省さま

国勢調査票に記入し、郵送を済ませた。 九月の、さていつごろだったか、郵便受けに「国勢調査のお願い」なる大型封書三通が投じられてあった。一人世帯に三通である。と申しても、総務省とその下働きさんに落度はない。原因を作ったのは私だ。 ふだん門扉だ…

芸のある文章

志賀直哉の惣領弟子である。 小説の手習いをする過程で、一度は志賀直哉の文章を研究してみるのが、かつては常識だった。無駄な言葉が見事に刈込まれ、一語々々の背後に、それぞれ対応する意思または意図が無駄なく詰った文章というものを体感するためにだ。…

身近なそれぞれ

食後に一服したり、洗いものをしたりしながら、漫然とラジオを聴いている。「それでは各地の話題を伝えていただきましょう。まず○○局の△△さん、こんにちは」 キー局の番組司会者から各地方局のアナウンサーへとバトンタッチされる。ラジオならではの、地方ネ…

芽吹きの消息

少しは休んだらどうなんだ! 「秋、急ぐ」と題して、玄関前の草むしりを記録したのは、九月十五日の日記だ。残暑に尻込みして開始が遅れていた秋の作業に、ようやく着手したのだった。半月前だ。 門扉までの短い通路の両側に、半枯れ状態となって変色したま…

花街道

ようやく開通! 懸案だった建屋東の通路の草むしりを了えた。 彼岸花たちには、すでに盛りを過ぎて、糸くずのごとく老残の姿をさらす花の末路もあり、かと思えば今から咲こうと意欲満々のツボミもある。 先陣を切って開花期の到来を告げた第一球根群は、すで…