一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

シーズン開幕

開幕第一戦は、どうしても……。 猛暑が峠を越して、肌に涼しい風が吹き始めると、私にとっては煮物・炊き物といった、保存食作りの季節に入る。 夏は鍋を火にかけるのすら暑苦しいという理由ではない。餃子を焼いたり、炒飯を炒めたり、さらには炊事省力化の…

戦い済んでも陽は暮れず

おおかたの露店は、撤収作業に入る。雑司ヶ谷鬼子母神さまご境内での「手づくり市」である。 夜半から早朝へかけて、時おり肌寒さをおぼえるほどの涼風が吹いた。だのにラジオでは、今日もきびしい残暑になると警戒を呼掛けている。ホントかいな、と思った。…

聴くスポーツ

同時実況で聴いている。 FIFA U20 女子ワールドカップが南米コロンビアで開催されていて、日本チーム(愛称:ヤングなでしこ)が快進撃だ。グループリーグを三戦全勝で一位通過し、決勝トーナメント一回戦ではナイジェリアを一蹴。ベスト8に進んたところだ…

十万あくせく〈口上〉

7時35分~8時50分。 朝夕ふいに吹き来る風に、たしかに秋ではあるなあと感じる昨今でございます。あなたさまのご身辺では、またお住いの地域では、いかがでございましょうか。 暑い夏でございました。めったになかったことでございますが、夏痩せをいたしま…

夜更けて候

かすかに秋めいてきたとはいえ、肌に心地よい風が感じられるのは、夜更けてからと早朝のみだ。陽が高いうちの残暑には、あい変らず戦意を喪失する。 本日の洗濯ものの異色第一は暖簾だ。いつ頃のいかなる機会の引出物だったかさっぱり記憶にないが、十代目(…

秋には秋の

朝、池袋方向。 わがパソコン・コーチにご指導を仰ぎ中だ。活用してこなかった機能の習得についてではない。今さら教わったところで、新たに身に着くはずもあるまい。必要に応じて教わった現在の初歩的機能が維持されれば、不満はない。 懸案は、新台購入と…

馬車のうしろに

この一画だけが、春以来四回目の草むしりだ。敷地内での最高回数を誇る。 往来に面している。只今工事中を示す、オレンジ色の仮フェンスを立ててあるだけだから、金網越しに敷地内が丸見えだ。 今さら見映えを気にするにも値しないボロ家ではあるけれども、…

風俗資料

『FIVE 6 SEVEN』(どうかエフロクセブンと発音してください)の1965年8・9・10月号が出てきた。 VAN や JUN のカッターシャツがどうだとかカーディガンがどうだとか、『MEN`S CLUB』の今月号がどうだとかと、中高生男子の一部が話題にする時代たった。アメ…

夢の跡

半端な量じゃねえぜ。 一夜明ければ、わが町内「長二」の神輿安置場前は、ゴミの集積場と化す。背後は寄合い場だったから、テントの解体と椅子やテーブルの片づけが進む。野尻組の若い衆連中が総出だ。拙宅に北接する児童公園は、二日のあいだ祭礼会場だった…

影響さまざま

葉山修平と聴いて、あァあの小説家と思い出せる人は、もはや少ないのかもしれない。噺作りに巧みな、達者な小説家だった。 私にとっては恩師のひとりだ。ただし文学の師ではない。高校時代の現代国語の安藤先生(ご本名)だった。生徒の前ではっきりとものを…

まつりめし(みたび祭の準備)

近隣一帯の氏神様の小社を束ねる総社の祭礼、第一日だ。 暦に云う二百十日だの二百二十日だのに近く、雨祭の異名もある。今年は両日とも好天に恵まれそうだ。地元が長い老人同士が擦違えば、 「どうだい、今年は晴れたじゃねえか、ええ?」 「まったくだ。妙…

今朝も祭の準備

開け放した窓から射しこむ光に眼醒めると、すでに気温が上っているようだ。鉄パイプが衝突したり擦れたりする音が聞える。電動工具のうなりも。工事音だ。近い。 児童公園では野尻組の若い衆が、葦簀張りの仮屋を建てている。祭礼期間中の、神輿の安置所だ。…

祭の準備

雨雲の脅威が去ったら、また残暑だと、ラジオが云っていた。確かに気温は上った。が、さすがに秋である。 おおよそ月に一度、理髪店に寄って頭を丸刈りにしてもらう。マスターはこの春、脳梗塞の発作に襲われたが、驚異的な気力・体力と目覚しいリハビリ効果…

仁義

今となっては懐かしき、在りし日の拙宅ブロック塀と老桜樹だ。開花が始まっている。この数日後に、塀と老樹とは突如として姿を消した。 塀の左寄りに、縦長の白い造作物が見える。日本共産党の専用掲示板である。キャンペーン中もしくは選挙期間中でなくて、…

カルチャー

―― あなたのコンピュータはしまいこまれました。あなたの知識のないアクセスがあり、データが失われないために、しまいこまれました。再起動しないでください。電源を切らないでください。すぐサポートセンターに電話してください。そして鍵を開けるようにし…

来日公演

外タレ(死語か?)来日公演のプログラム類。とある年のとある宵に、一部のファンを熱狂させ、その一夜には宝物のように輝いたが、翌日以降は、ファン当人にとってかけがえのない想い出であり続けても、印刷物としてはたんなる記録でしかない。今となっては…

次世代へ

三鷹駅北口。五年ぶりくらいにはなろうか。 東西両隣の吉祥寺駅・武蔵境駅とも、駅ビル風の新駅舎となって久しい。三鷹駅も南口は近代建築の様相を呈している。わずかに北口のみが、懐かしい風格を残している。私にとっても想い出深い。 五日市街道に面した…