一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

処分のまえに

ところで×2

『地の群れ』ATG機関誌(パンフを兼ねる)とチケット半券。熊井啓監督作品(1970.1.) 慎重に考えたら何も云えなくなってしまう。それは不誠実だ。チャランポランに考えてこそものが云える。それが誠実というものだ。 映画『地の群れ』の原作は井上光晴の同…

じつはすでに

ATG機関誌(プログラムを兼ねる)、チラシ、半券(1966.7.11) 心に刺さった小さなトゲが、人の一生を左右する。 映画史に暗い高校生でも、『市民ケーン』の題名は知っていた。めったに上映される機会のない、旧い名作だと聴いていた。なんと、昭和十六年に…

掲示板

プログラム、チケット半券(1980.12.28.都市センターホール1階R列15番) 女王様:お願い、ってどうしたらいゝの? だって、したことないのだもの。 老兵士:まずこの娘さんの前に膝をついて、「どうか」とおっしゃってください。 サムイル・マルシャーク作…

さま

『とべない沈黙』(「アートシアター」Vol.38)、チラシ、チケット半券。 もはや真実は、幻想をもってしか掘り起せないほど深くに埋れてしまったのか? 世にも美しい映像で突き付けられた不可能性の提示は、高校生に深刻な影響を残した。 札幌の虫捕り少年は…

モノマネ

機関誌『雲』8号(兼『罪と罰』パンフレット) もしもあの日、あの時刻、有楽町駅のホームに立ってさえいなければ……。 生意気にも洋画ロードショウに小遣いを注込むことを覚えた高校一年生は、日曜の午前十時上映の第一回を、おそらくはパンテオン劇場で観た…

不幸なこと

チケット半券、プログラム、チラシ 一昨日、渋谷ジローでの『オイディプス王』公演を回想したさいに、探し出せなかったものがあった。拙宅の半ゴミ屋敷状態ゆえの不祥事だ。ようやく探し当てた。 チケット半券の上部にミシンが入っていて、ドリンク引換券と…

まことにどうも

月刊文芸誌『南北』(1967年4月号) 渋谷が芸術・文化の発信地ですってェ? では申しましょう。今は昔の物語。 渋谷駅から神宮通りを北上して、右に大盛堂書店の看板を眼にしながら左折すると、公園通りに入る。渋谷公会堂へと続くなだらかな登り坂で、街灯…

あの坂道

パンフレット(チケット半券付き)14公演 あの坂道を、もう一度歩くことは、あるのだろうか。 代々木小劇場と聴いて、あゝアレ懐かしいね、なんぞとおっしゃってくださるかたも、めっきり少なくなったのではないだろうか。演劇集団変身の常打ち小屋だった。 …

立ち姿

プログラムとチケット半券(1966) 木下順二作『オットーと呼ばれる日本人』宇野重吉演出、劇団民藝公演。一九六六年九月の再演だ。新劇史に残る名作名演との噂には接していた。が、初演は一九六二年。私は世代的に、間に合っていない。 いつか再演をとは、…

出現

公演プログラム、チケット半券(1965~66) 劇団民藝公演『ゴドーを待ちながら』。フランス留学を了えた渡辺浩子さんが、自訳と演出プランを手土産に帰国し、演出した。 むろん私は、ベケットのベの字も知らなかった。たゞ雑誌『新劇』『テアトロ』に眼を通…