一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

お風呂

本橋麻里 「一緒にお風呂に入りたい美人アスリート、トップ10」。アンケート体裁の、他愛ない思いつきのような YouTube 動画だけど、考えさせられちゃった。 恋人にしたいとか、H したいじゃねえんだ。一緒にお風呂。ビミョー。10位 本橋麻里(カーリング)…

千駄木私景

谷中散歩を一段落して、千駄木方向へ移動するまえに一服。かつて若気の至りとしか申しようのない会話をずいぶんした喫茶店が、今も健在だ。店内はいく度も模様替えされて、今風になっちゃいるが。 名代の佃煮屋さんと煎餅屋さんは、今も向いあっている。食堂…

谷中私景

〇 日暮里駅前 駅前より、北方向(西日暮里・田端方面)を臨む。 わが国でもっとも多くの線路をまたぐ橋のひとつとのこと。 写真左手を山手と、右手を下町という。 〇 経王寺 上野の山で戦があった。彰義隊の残党が経王寺に逃げ込み、かくまわれた。ために当…

リベンジ

昨年尻込み断念した件を、今年達成した。 池袋から JR 山手線に乗換えて、日暮里まで赴くのは、一年ぶりだ。今の私には遠出である。この一年に、大塚までは二度行った。新宿へは三度か四度行った。 もっとも遠方はといえば、旧友の葬儀に参列すべく、菊川・…

わらしべ長者

今季初物。赤ん坊の頭ほどの巨大な梨だ。 ご縁がなければ生涯眼にする機会もなかったはずのセレブ月刊誌『ナイルスナイル』から、思わぬ取材を受けた次第を、九月一日に書いた。お眼にしてくださったご近所の大室さんの奥さんから、その雑誌ぜひ一見に及びた…

名残の彼岸

彼岸の入りも中日も、空模様が……。尻込みしてしまった。 台風一過の秋晴れ。墓参り日とする。さてご本尊へのお供えは、いかにしたものだろうか。悪天候を押してでも、墓掃除に出向き、お詣りを済ませた律儀な檀家衆も少なくなかろう。すでにご本尊の前には、…

台風接近

続けざまの台風接近。今回は「これまでに経験したことのない強風」でない代りに、雨台風だとのこと。東京二十三区西部(ウチじゃねえか)は洪水警報が発令された。はて、あたりには川も湖も視当らないが。 新潟の従兄から、新米が届いた。この季節が巡ってき…

時間差

絡みあった花は、そのまゝにしておく。 遠くを通り過ぎた台風の余波で二日間、時おりの雨と不意の突風に見舞われた。開花して頭でっかちになっていた彼岸花にとっては、災難だった。 B 地点(二番目に開花し始めた株)は茎を五本も立てた大所帯だが、一日目…

品格

テレビを観る習慣がないので、せめてネットニュースでもと思い立ち、英国女王の棺を埋葬地へと運ぶ葬列のライブ中継を観た。 高度経済成長期の後くらいだったろうか、かつての大英帝国の威容はもはや影をひそめたと、さかんに云われた時期があった。いかなる…

かくれもない

「ひさご」の女将おチカさんが珍しく記者クラブを訪問している。どういう場面だったのだろうか。 昨日の続き、NHK 初期のテレビドラマ『事件記者』の一場面である。共有スペースである応接セットに呉越同舟寄合っての談笑。坪内美子さんもご一同も笑顔だ。左…

事件記者

『事件記者』NHK総合、昭和三十三年(1958)~昭和四十一年(1966)放送。 警視庁記者クラブをおもな舞台に、新聞各社の社会部記者たちが「特ダネ」目指して知恵と行動力とを尽しあう群像劇。毎回事件発端から解決までの筋立てだが、仲間でもあり狐と狸の化…

葡萄

「黒い真珠」とも称ばれるそうだ。ピオーネというブランド葡萄だ。 ジャズヴォーカリストで作曲家の丸山繁雄さんから、ありがたいお中元を頂戴したのは、七月上旬だった。お礼状はむろん差上げたが、お返し品のお届けはしなかった。欠礼である。 ものぐさの…

珈琲はお好き?

『遥かなる山の呼び声』(監督 山田洋次、松竹、1980)より。 ―― あのぅ、ハンカチ渡しても、いゝですか? 『家族』『故郷』と連なってきた、いわゆる民子三部作のなかでも、この作品はことに好きだ。北海道を舞台にした代表的作品と人気の『幸せの黄色いハ…

お大臣

野菜お大臣。気分がよろしい。 大北君からご恵贈いたゞいたご丹精野菜類のうち、まだ出動していなかったジャガイモを、いよいよ出動させる。頂戴した半数を使うことにする。シーズン開始は、まず手慣れた仕立てかたで。変り映えのない味となろうが、これなら…

彼岸花

かようなゴミゴミしたところで、ようこそ今年も咲いてくれました。瓦礫が多く埋っている拙宅の粗悪地にやって来て、まだ三年か四年の新顔である。 ♬ 赤い花なら曼珠沙華 阿蘭陀屋敷に雨が降る(『長崎物語』作詞 梅木三郎) 圧倒的に多いのは赤花である。金…

百日紅

暑苦しいほどに咲きほこる夏の花木が、好きである。季節の終りを迎えた。 児童公園の端の植込みに、サルスベリがひと株、もう二十数年立っている。区の管理担当者に気に入られているものか、あたりの植栽はいく度も模様替えされたが、このひと株だけは、不動…

〈口上〉五百日

―― 東西とぉうざ~い (チョン!) 暑さ寒さも彼岸まで。いずれもさまにおかれましては、猛暑ございましたる夏をご無事にて乗切られ、佳きころおひをお迎えのことと、心よりお慶び申しあげます。 さて当「一朴洞日記」は、昨年五月三日に第一回を申しあげま…

秋野菜

秋野菜。そして名残の夏野菜だ。 季節ごとに、手づからご丹精の野菜をお贈りくださる、旧い学友の大北君から、今年もカボチャとじゃが芋とモロヘイヤが届いた。 私は一年をとおして、カボチャもじゃが芋も、いくらあっても困らぬ男である。たいへんにありが…

祭礼第二日

晴れた。二日とも晴れた。正確には、初日の深夜に降った。露払いとなって、以後の雨をすべて持去ってくれたのだろう。二日とも、暑からず寒からず。佳き年だ。 じたばたせずに、おとなしく在宅の一日とする。下手に騒いで、空模様を危うくしては、元も子もな…

祭礼第一日

深夜にパラリと来たときには、あゝ今年もかという想いに誘われた。なにせ「雨祭」である。ひと眠りして起きてみると、これが快晴。暑くもなく寒くもなく。これほどの祭日和は、はてなん年ぶりだろうか。 クリーニング屋へ夏物ジャケット二着を依頼。今年はも…

お祭

地元神社の祭礼である。毎年九月の第二週末と決っている。 立春から数えて二百二十日近辺に、どうしてもなる。雨風に祟られる年が多い。「雨祭」の異名まである。今年も例外とはならず、昨深夜から小雨となった。二日間の祭礼のうち一日めが晴天だと、明日は…

久慈

お若い友人の水奥さんから、珍しい食卓のものを頂戴した。 水奥さんは高校の国語科の教諭だ。学生時分の環境には、将来作家となって文界の第一線に出ようとか、編集者なりディレクターなりとなって集団創作の現場に身を置いて活躍しようなどと考える学友が、…

ありがたい

ブロック塀一枚を隔てて、往来に面している部分である。側面に木戸口があり、覗く気になれればどなたにも覗ける場所だ。そんな所も、日ごろは手入れを怠ったまゝにしてある。 サクラの老樹が、道路がわに身を乗出している。花時には、歩を停めて観上げてくだ…

現金なもん

拙宅の葉叢などから翔立つはずもなさそうなヤツが、ふいに翔んで出た。 秋の草むしりも佳境に差しかゝろうとしている。この先まだ、刈草の山はいくつも出現することだろう。狭い敷地内が堆肥製造地のようになってしまう。土に還すといっても、独り作業には限…

微生物君たち大移動

一週間あまり陽にあぶられ、雨にも打たれ、石を載せたブロックがだいぶ地に沈んだ。穴に詰めた枯草が密度を増し、地に馴染んできたのだろう。 重しをどけてみると、ブロックの跡が見事にへこんで、一面に白くカビが生えている。枯草の下に敷きこんだメロンの…

合せ技

孔子(B.C.552 - 479) それはまだ、片側に過ぎませんけれども……。 日曜日の台所でなにか手作業をしている場合には、ラジオから「爆笑問題の日曜サンデー」が流れている。硬軟織り混ぜたコーナーで長時間を構成し、なかには聴取者参加型コーナーもあって、多…

池袋

東口前ロータリーの中洲に立停まると、前方にも背後にも、高いところに巨大な電光画面。カラー動画が流れている。ニュースか商品宣伝か、映画かなにかの告知だろうか。中国語(簡体字)でコピーが打たれた日本語学校の広告もデカデカとある。百貨店の屋上か…

ハヤシライス

どうせ横浜のホテルの林料理長か、馬車道あたりの林シェフが、外国人さん向けに考案したものだろうと思いこんでいた。ハッシュドビーフなんぞという単語を知るまでは。 幼少期、親に手を曳かれて外出。百貨店の大食堂で食事をすることが、年に数回の晴の日だ…

どちらでも

つまるところ、バニラか……。 日ごろ忘れたように過していながら、ふとしたきっかけで食べ始めると、マイブームとばかりにしばらく定番デザートもしくは間食として食べ続けるものに、アイスクリームがある。現代にあっては、味にも形態にも、私の想像をはるか…

かき氷

『Nile’s NILE ナイルスナイル』9月号をご恵贈いたゞいた。 全頁カラー写真と文とからなる、紙も刷りもよく吟味された、上品かつ豪華な雑誌だ。広告だって、私の暮しに関係ありそうなスポンサーなんか一社も見当らない。 年収ン千ン百万以上のかたから定期…