一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

雪判定

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 東京に大雪注意報が発令されました。明け方に想定以上の気温降下がある場合は、大雪警報に切替わる可能性も、と報じられました。不運にも実害に見舞われてしまった皆さま、お見舞い申し上げます。
 しかし雪国の方がたは、どう観ておられることだかなぁ。

 拙宅界隈はおかげさまで、雪はほんの数時間、しかも少降水量。長時間はミゾレで、雨の時間も長かった。歩行路や車の通行路を確保するための、雪掻きに出動する必要もなかった。
 翌る午前の陽射しによって、自然に雪解けしていった。中途半端に雪解けした道路が気温低下に凍結して難儀するということも、まったくない。
 雪掻きしないから、道路脇に積み上っ雪山もない。晴れ上って道路は乾燥しているのに、塀ぎわや電柱の根かたに積み寄せられた雪だけが残っているというような、降雪後風景も見られない。

 東京では、道路凍結の危険を避けるために、降雪量が少なくても雪掻きしておいたほうがよろしい場合が多いものゝ、時にはへたに掻いたりしないほうが、後がよろしい場合もある。ふんわり積雪のまゝにしておけば翌日自然雪解けするものを、中途半端に掻いたために、むしろ安全でなくなる場合である。
 降雪量と雪質と気温とから判断する。深夜に二度、玄関を出て外を眺めたが、今回は雪掻き不要と判断した。
 雪国の方がたに対しては申しわけないほど、可愛らしい雪判定だ。

 翌日、柔らかな陽射しを浴びに、表へ出てみる。ふと視上げる。

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 暦の上で春とはいえ……、ついハガキ文の冒頭に書いてしまうことがある。
 とんでもない。暦の上だけじゃない。眼に見えて、春である。