一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

事も無し

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 飲料水代りに、日に二度も、濃縮カルピスを薄めて、我がボトルに詰める。
 なんたる贅沢。当方本日、事も無し。

 キエフの中心街で、男子学生が二人(19歳と20歳)、インタビューに応えている。
 ――親ロシア地区の国民の気持を、僕たちは知っています。彼らも、僕たちの気持を知っています。これは市民の戦争ではありません。国家間の政争に過ぎません。

 同じ街角で、三十代の男性が、インタビューに応えている。
 ――親ロシア地区に、兄弟も親戚も住んでいます。仕事がら、移転は無理です。今のところ、手立てはありません。

 日本在住ウクライナ人のユーチューバーが、ご自分のチャンネルで語っている。
 ――毎日のように家族に電話して、身辺の空気を聴いています。そうとう危険です。感想ですか? 心、痛いです。が、驚いてはいません。私たちは過去にも、このような経験をしていますから。

 日本在住ロシア人ユーチューバー「ピロシキーズ」は、ご自分らのチャンネルで語っている。
 ――ロシア人の気持も知ってる。ウクライナ人の気持も知ってる。私たちも旧ソ連邦の少数部分だったし。戦争を望んでる人なんか、一人もいない。
 ――たゞこういうことはある。ロシアのニュースには、ウクライナの親ロシア地域へ入っていった兵士に、地元の子どもたちが、よく助けに来てくれたと大歓迎して、抱き着いてくる。住民たちも手を振ってくれている。そんなのばっか。日本のニュースで、そんな映像を観たことない。ということは、NATO御用達の日本のニュース映像を、ロシア国民は観たことないのかもしれない。

 地図を視れば、バルト三国がすでにNATO加盟国で、そのうえウクライナもとなれば、ロシアにしてみれば、国境を隔てゝすぐそこに、こっちを向いたNATOのミサイル発射基地がズラリと並ぶことになる。尖閣諸島だの北朝鮮だのとは、比べものにならぬほど強烈だ。
 同じく国境を接するジョージアに対しても、ベラルーシに対しても、ロシアが強硬な態度を貫くのは、想像つかぬ心理ではない。

 歯車は深刻に噛み合っている。だというのに、本気なのだろうか?
 ――いかなる場合でも、強権による現状変更は遺憾である。
 新基地建設は、強権による現状変更には当らないのだろうか。疲弊した地方財政の鼻先に、補償金という人参を吊下げての、核のゴミ貯蔵場や処理場は、強権による現状変更には当らないのだろうか。

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 週に一度は、栄養バランス「ヒジキ豆」。今日もうまいこと出来た。
 なんたる呑気。当方本日、事も無し。