一朴洞日記

多岐祐介の老残妄言

二年目〈口上〉


―― 口 上 ――
 
 東西とぉうざぁ~い !

 かずかずブログ多いなか、ご縁をもちましてお眼汚しをかたじけのういたしましたる、あなたさまにひとこと、おん礼ご挨拶申しあぐべく、貴重なるお時間を少々頂戴いたしまする。

 当「一朴洞日記」またの名を「老残妄言の記」、産声揚げましてより昨日をもちまして連続投稿三百と六十五日。満一年を閲したる次第と、あいなりましてございまする。
 なにごとによらず石の上にも三年、パソコンの前には一年と申します。おかげさまにて、一日とて欠けることなく、連日投稿させていたゞけましたのは、これひとえに、お眼の片隅にお留めおきくださいましたる、あなたさまのおかげと、まことにまことに感謝に耐えがたく、区切りよきこの日に、あらためておん礼申しあげる次第にございまする。

 本日より、日記は第二年目に入りまする。かと申しましまして、とりたてゝの新機軸と申すがごとき大声でのお報せは、あえて申しあげません。お見掛けどおりの半ボケ老人。これまで同様に老いの繰りごとだらだらと、グダグダと書き連ね、全ボケとなり果てますまでの日々をノタノタと、一人歩いてまいる所存にございまする。

 方針には寸毫の変化もございません。天下国家を語らず。読者さまのお役に立とうなどという欲深きことは断じて企てず、たゞ身の回りの些事を眺め、残滓として身に残りましたる記憶と戯れまして、日々を送ってまいる所存にございまする。

 たゞしわたくし一個にとりましては、二年目に入りまして、小さな愉しみがひとつ増えましてございます。すなわち、昨年の今日、自分はなにを考えて過しておったかと、確かめる面白さが加わりまする。
 あれからもう一年が経ったかと光陰の峻厳苛烈を想うこともございましょうし、わずか一年しか経っておらぬかと、わが身の衰滅急なるに驚愕抑えがたきこともございましょう。快も不快も含めまして、すべてこれ老残の落日観察。面白おかしう狂い舞うて見せようぞと、口先だけは意気軒昂にございまする。

 とは申せこれからは、過ぐる一年のごとくに連日投稿できますものやら、できませぬものやら、もとより自信とてはございません。過去に二度も、サイレン鳴らす救急車の車中の者となりたる経験もあり、また不規則生活にて一日の区切れ目をついおろそかにしがちな気性でもございまする。
 ましてや疫病騒ぎによる戒めが解けたりいたしましょうものなら、宿痾のごとき好からぬ蟲が突如騒ぎ出して、あれを観たいこれに触れたいと、身分わきまえぬ酔狂な旅に発ってしまうことなども、ないとは申せません。

 ご心配くださる知友への生存確認連絡、というのが、日記立上げの動機のひとつでございましたが、向後は洒落冗談でなく、ほんとうにその目的で活用せねばならぬ事態も出来いたしかねません。
 ともあれしかし、今から気に病みましても詮方なきこと。まずは、千日回峰行の達成に憧れ、ブログ阿闍梨の称号をいたゞく遠き未来に向けまして、足元の二年目第一歩を歩み出す所存にございまする。

 ご縁をもちましてお眼をおかけくださいましたる、あなたさまにおかれましては、今後ともどうか、どうかよろしくご贔屓くださりまするよう、隅から隅まで、おん願いあげ、たぁ~てまつりまするぅ。